SKD11の弱点を補う「下地強化」のススメ
こんにちは、SEAVAC営業のOです。 今回は「現行のSKD11を使用したまま」で金型寿命を延ばすアプローチをご紹介します。 それが、PVDコーティングの前工程として行う「WPC処理」や「窒化処理」による下地強化です。
課題:
高温戻しSKD11のジレンマ SKD11にPVD処理(約500℃)を行う場合、硬度低下や寸法変化防止のために「高温戻し」が必須です。 しかし、汎用SKD11の高温戻し品は、硬さと靭性(割れにくさ)のバランス調整が難しく、コーティング膜を支える力が不足しがちです。
解決策:
コーティング前の「下地強化(複合処理)」 そこで、高温戻しを行ったあとにWPC処理や窒化処理といった下地強化処理を追加することをお勧めします。これにより、以下のメリットが生まれます。
1. 最表層だけを硬くし、コーティングを強力にサポート
金型の最表層に硬化層を作ることで、あたかも「硬い殻」で覆ったような状態になります。 この硬い層が、非常に薄いPVDコーティングを下からガッチリと支えるため、プレス時の面圧で母材が凹み、膜が割れてしまう現象(卵の殻現象)を防ぎます。
2. 金型自体の「靭性(粘り)」はキープ
ここが最大のポイントです。全体を硬く焼き入れしすぎると金型は割れやすくなりますが、WPCや窒化処理なら「硬くなるのは最表層だけ」です。 金型の中心部は、高温戻しによる「粘り強い状態」が保たれているため、大きな衝撃がかかっても金型自体が破損するリスクを抑えられます。
結論:
「SKD11+下地強化+PVDコーティング」で弱点を克服 材料を変えるのが難しい場合でも、この「複合処理」ならSKD11のポテンシャルを最大限に引き出せます。
表面: コーティングと下地強化で「硬く」
内部: SKD11本来の特性で「粘り強く」
現在のSKD11の金型で、「もう少し寿命を延ばしたい」とお考えの方は、ぜひこの処理オプションをご検討ください。
SEAVAC株式会社
住所:兵庫県尼崎市杭瀬南新町1丁目12−6
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